榊原税務労務会計事務所 公式ブログ

相続税/年金/会社経営に役立つ情報を発信!

ポツンと一軒家と土砂災害特別警戒区域の宅地の評価について

私はあまりテレビを見ません。が、最近あるテレビ番組にハマっています。それは朝日テレビ系「ポツンと一軒家」です。

なぜあんな所に住んでるんだろうとか、その一軒家の形や土地の形だったり、所在場所などからどんな減額手法があるのか、小規模宅地等の特例は使えるのかと、そもそもどうやって評価するんだろうなんて考えながら毎週楽しく見ています。この仕事をしていると自分でもポツンと一軒家を発見したりします。我々が不動産を評価する場合、必ず全ての不動産の所在地と現況などを確認し、登記簿や公図などを入手します。その過程で、たまたまポツンと一軒家を発見したりします。そうすると、一人で勝手に麓の集落からの攻略法を考えたりしてしまいます。資産税をやっている税理士あるあるなのかもしれせん。

 

話は変わりますが、最近雨風による災害が多いですよね。よくニュースなどで土砂災害が発生したニュースを報道していますが、ポツンと一軒家がある地域だと、土砂災害の危険性が高い所も多いと思います。土砂災害警戒区域に指定されていることも多いと思われますが、実はそんな土砂災害地域にある宅地の評価について税制改正があったのはご存知でしょうか?

 

それは、土砂災害特別警戒区域に存する宅地の評価です。土砂災害防止法では、都道府県知事は、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域で一定のものを土砂災害警戒区域(以下「警戒区域」という。)として指定することができ、この警戒区域のうち、急傾斜地 の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域で一定のものを土砂災害特別警戒区域(以下「特別警戒区域」という。)として指定することができる(土砂災害防止法7、9)とされています。
このうち、特別警戒区域内にある宅地については、建築物の構造規制(土砂災害防止法24、 25)が課せられ、宅地としての通常の用途に供するとした場合に利用の制限があると認められることから、特別警戒区域内に存しない宅地の価額に比して、一定の減価が生ずるものと考えられます。そして、近年、特別警戒区域の指定件数が増加しており、また、土砂災害防止法第4条に基づく特別警戒区域の指定等に係る基礎調査が平成31年度を目途に完了することが見込まれていることから、今後、更なる指定件数の増加が想定されます。このような状況を踏まえ、特別警戒区域内にある宅地の評価方法を定めることとされました。土砂災害特別警戒区域であるか否かな判定は課税時期において行います。宅地が土砂災害特別警戒区域に存在しているかは、市区町村役場や土木事務所、またハザードマップなどで確認することができます。警戒区域内にある宅地は一般的に、背後にがけ地が控える場合や谷・渓流の近くに存していることが多く、近年、土砂災害特別警戒区域の指定件数が増加していることを踏まえ、土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価に当たり、その宅地に占める土砂災害特別警戒区域内となる部分の地積の割合に応じて一定の減額補正を行うことされました。なお、警戒区域内にあるとしても特別警戒区域内に存しない宅地については、 「土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価」の適用対象とはなりませんので注意してください。

 

特別警戒区域内となる部分を有する宅地の価額については、その宅地のうちの特別警戒区域内となる部分が特別警戒区域内となる部分でないものとした場合の価額に、その宅地の総地積に対する特別警戒区域内となる部分の地積の割合に応じて、次の「特別警戒区域補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価されます。なお、特別警戒区域は、基本的には地勢が傾斜する地域に指定されることから、特別警戒区域内にある宅地にはがけ地を含む場合もあると考えられるところ、評価通達20-5 *1における付表8に定めるがけ地補正率の適用がある場合においては、次の「特別警戒区域補正率表」により求めた補正率にがけ地補正率を乗じ て得た数値を特別警戒区域補正率とすることとし、その最小値は0.50とされました。

 

特別警戒区域補正率表

 

特別警戒区域に該当する地積÷総地積

0.1以上→0.90

0.4以上→0.80

0.7以上→0.70

 

なお、倍率方式により評価する地域(以下「倍率地域」という。)に所在する宅地の価額は、その宅地の固定資産税評価額に倍率を乗じて評価することとされています(評価通達 21-2)。特別警戒区域内の宅地の固定資産税評価額の算定については、特別警戒区域の指定による土地の利用制限等が土地の価格に影響を与える場合は、当該影響を適正に反映させることとされており、特別警戒区域に指定されたことに伴う宅地としての利用制限等により 生ずる減価は、既に固定資産税評価額において考慮されていると考られています。したがって、倍率地域に所在する特別警戒区域内にある宅地については、「土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価」の適用対象とはなりません。ただ、実際には固定資産税評価額は市区町村の実地調査や裁量などで判断されているケースも多いため、評価額自体に疑問がある場合には、市区町村役場の固定資産税課に確認を取ることが大切です。

 

さらに、市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野(以下、これらを併せて「市 街地農地等」という。)については、評価通達 39*2、40*3、49*4及び 58-3*5の定めにおいて、 その農地等が宅地であるとした場合を前提として評価(宅地比準方式により評価)することとしているところ、市街地農地等が特別警戒区域内にある場合、その農地等を宅地に転用するときには、宅地としての利用が制限され、これによる減価が生ずることになります。農地等や山林等を宅地転用する場合は整地工事や擁壁工事、地盛工事などが発生します。したがって、市街地農地等が特別警戒区域内にある場合には、「土砂災害特別警戒区域内 にある宅地の評価」の適用対象となります。

*1:がけ地等を有する宅地の評価

*2:市街地周辺農地の評価

*3:市街地 農地の評価

*4:市街地山林の評価

*5:市街地原野の評価