榊原税務労務会計事務所

【西三河】愛知県刈谷市 - 榊原税務労務会計事務所の公式ブログ

法人保険の選び方、全額損金タイプの保険についての注意点

アクセスありがとうございます。愛知県刈谷市の税理士 榊原大志 です。

年末までiPhone7等の電池交換が安価に可能ということで、アップルに修理希望のiPhoneが殺到しているということです。ちまたのiPhone修理店も予約がとれない状況です。私のiPhoneも修理に電池交換を依頼しているのですが、帰ってきません。早く帰ってきてほしいです。

 

今回は法人定期保険について書いてみたいと思います。

法人は個人と異なり、保険料を全額経費(全額損金)とすることができる商品が多く販売されております。個人の場合には、支払った生命保険料などは生命保険料控除として所得から控除できますが、最大で12万円までです。それに対して法人は全損タイプの保険商品では、解約返戻金のある商品でも経費に計上できてしまうため高い節税効果が期待できます。

 

しかし、全損タイプで解約返戻金がある商品を解約等した場合には、全額益金(収益)計上しなければなりませんから、利益が発生した年度で損金計上しても解約等した場合には益金に算入され、それだけでは単に利益をスライドさせただけとなってしまいます。

 

では、どのように活用するかというと、役員退職金などの多額の損金が発生する予定がある場合に、それが発生する事業年度に合わせて解約返戻金のピークを設定することで、解約等により発生した益金と、退職金等の損金を相殺することで、課税を発生させないこととします。

 

それだけでは、単純に将来の経費を前借りしただけではないの?とお思いになる方がいると思いますが、生命保険会社は払い込まれた保険料をもとに運用しますから、例えば2分の1損金タイプだと解約返戻金として帰ってくる金額が当初払い込んだ保険料よりも多くなっていたり、全損タイプでも90%以上返戻金がつく保険商品があります。

そうすると、現状の日本の法人税等実効税率は30%前後ですから、支払った保険料による節税効果と解約返戻金で120%程度の実質返戻率を獲得することができます。解約返戻金と税金の圧縮効果によって得た資金をつかって退職金などの大型の支出に備えることができるのです。預金として資金を保有するよりも高い運用効果が期待できますね。

 

ただし、全損タイプの場合にはほとんどの商品が90%程度が最大の解約返戻率です。従って、必ず10%は保険料として保険会社に支払う必要があるのです。つまり、この部分はコストとして確定しますから、将来的に大きな費用が発生する見込みが無い場合など利用目的がない場合には、全損タイプの保険を選んでしまうと、単純に10%程度は損してしまうことになります。その場合には、長期平準定期保険などの2分の1損金タイプを選ぶ必要があります。2分の1損金あるいは3分の1損金タイプであれば、保険の解約返戻金について単純返戻率で100%を超える商品も多く存在します。

 

単純に全額損金算入できるからと言って全損タイプを選ぶと、実質的に損失を被る恐れがありますので、ご注意ください。

 

※私個人としては90%以上の解約返戻率があれば全損タイプの保険を利用しても良いと思っております。逆にそれ以下の場合には、日本の法人税実効税率が下がれば、損失となってしまう可能性があります。今後も、法人税等に関しては減税する方向で進むでしょうから、注意しておいた方が良いでしょう。

 

また、税制改正リスクについても検討しておかなければなりません。例えばがん保険の場合、法人においては全額損金という取扱いだったのが、解約返戻金があるタイプの商品は2分の1損金とする旨の改正が行われました。これはだいぶ昔の話ですが、国税庁金融庁は、全損タイプの保険に関して厳しく目を光らせています。今流行りの日本生命プラチナフェニックスや大同生命の介護定期保険といった全損で返戻率が高く設定できる商品は、保障はそっちの気で、単純に高い返戻率を設定しており、今後改正の対象となる可能性もありますので、注意が必要です。